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相続人の調査・証明|戸籍の収集方法、収集範囲について解説します。

2025.09.09

 
相続手続きの第一歩は、誰が相続人かを正確に把握し、戸籍で証明することです。「誰が相続人になるのかなんて知っている」「相続人の調査なんて大げさでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、相続の手続きを進める上では、自分が相続人を知っているだけでは足りません。相続人が誰であるかを、戸籍証明書によって第三者に証明する必要があるのです。この記事では、相続人調査の基本として「戸籍とは何か」「戸籍証明書の収集方法や収集範囲」をわかりやすく解説します。この記事を読むと、相続人調査の重要性と、戸籍証明書収集の基本的な流れが理解できるようになります。

目次
  1. 🗂️戸籍とは
    1. 戸籍謄本と戸籍抄本の違い
    2. 戸籍は一生の間に何度も作り替えられる
    3. 相続手続きにおける戸籍証明書を集める目的
  2. 👥戸籍証明書を請求できる人
  3. 📮戸籍証明書の収集方法
    1. 役場の窓口で請求する
    2. 郵送で請求する
    3. 広域交付制度の活用
  • 💡コラム:戸籍の収集は死亡届を出した後2週間経ってから
  1. 🔍戸籍謄本の収集範囲
    1. 被相続人に関する戸籍の収集
    2. 相続人に関する戸籍の収集
    3. 配偶者と子が相続人の場合
    4. 被相続人の子が相続開始以前に死亡している場合
    5. 子がいない場合① 両親がいる場合
    6. 子がいない場合② 親が一方だけ生存している場合
    7. 子がいない場合③ 祖父母が相続人となる場合
    8. 血族相続人がいないため、配偶者のみが相続人となる場合
    9. 兄弟姉妹が相続人となる場合
  2. 🏢戸籍証明書の広域交付制度とは
    1. 広域交付制度を利用する際の注意点
    2. 戸籍の種類、読み方
このページのポイント

  1. 相続人を知っているだけでは不十分で、第三者に証明できる戸籍証明書が必要です。
  2. 戸籍は婚姻・転籍・制度改正など、一生のうちに何度も作り替えられる。
  3. 戸籍証明書には謄本(全部事項証明書)と抄本(個人事項証明書)があり、相続手続きでは通常謄本が必要です。
  4. 相続人調査では、配偶者・子・親・兄弟姉妹の順に確認し、代襲相続(孫や甥姪)がある場合も漏れなく調べる。
  5. 相続人の構成によって、収集すべき戸籍の範囲は変わってくる(配偶者・子・親・兄弟姉妹・甥姪など)。
  6. 戸籍の広域交付制度で、本籍地以外の市区町村役場で戸籍を取得可能になりました。

🗂️戸籍とは

戸籍とは、日本国民の身分関係を公的に記録したもので、出生・親子関係・結婚・離婚・死亡などの重要な事実が記載されています。市区町村が管理しており、相続人調査において欠かせない基本資料です。

戸籍謄本と戸籍抄本の違い

戸籍証明書には「戸籍謄本(現在は全部事項証明書と呼ばれる)」と「戸籍抄本(個人事項証明書)」があります。
・戸籍謄本(全部事項証明書) … その戸籍に記載されている全員分の情報を確認できる。
・戸籍抄本(個人事項証明書) … その戸籍に記載されている特定の人の情報だけを確認できる。
相続手続きでは、被相続人が生まれてから亡くなるまでの身分関係をすべて証明する必要があるため、通常は戸籍謄本(全部事項証明書)の取得することになります。

戸籍は一生の間に何度も作り替えられる

戸籍は一生同じではなく、結婚や転籍、法改正などで新しく作り変えられることがあります。
こうして新しい戸籍に移る際、それまで在籍していた戸籍の記載内容がすべて引き継がれるわけではありません。離婚や離縁、認知といった過去の変動事項の多くは、新しい戸籍には記載されない仕組みになっているからです。したがって、正確な身分関係を把握するためには、最新の戸籍だけでなく、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡まで遡って、連続したすべての戸籍証明書を集める必要があります。

相続手続きにおける戸籍証明書を集める目的

相続手続きにおいて戸籍証明書を集める目的は、「誰が相続人であるかを把握し、それを第三者に証明すること」にあります。単に「相続人はこの人だ」と家族だから当然に理解しているというだけでは、第三者への証明にはなりません。不動産登記や金融機関での預貯金解約などの手続きでは、戸籍証明書によって相続人を客観的に証明することが不可欠です。

👥戸籍証明書を請求できる人

基本的には、次の範囲の人が請求できます(戸籍法第10条第1項)。
・本人
・配偶者
・直系尊属(父母・祖父母など)
・直系卑属(子・孫など)

兄弟姉妹がまだ同じ戸籍に入っている場合は、「本人(戸籍に記載されている人)」として請求できますが、結婚や分籍などで戸籍が別になってしまった兄弟姉妹については、この範囲から外れてしまうため、請求できません。

相続で「兄弟姉妹」の戸籍を請求する

戸籍法第10条の2では、例外的に本来請求できる範囲以外の者でも戸籍を請求できる場合が定められています。その中に「自己の権利を行使するために必要があるとき」という規定があります。相続手続きでは、この規定を根拠にして兄弟姉妹の戸籍を請求することができます。たとえば、被相続人に子どもや親がいない場合、兄弟姉妹が相続人となるため、相続人を確定するには兄弟姉妹や甥姪の戸籍を収集する必要があるのです。

ただし、実務上は役場の窓口で「兄弟姉妹の戸籍は請求できない」と対応されることもあります。そのような場合には、戸籍法第10条の2に定められた「自己の権利を行使するために必要である」ことを説明し、相続手続きに必要な請求であることを丁寧に主張する必要があります。

📮戸籍証明書の収集方法

戸籍証明書は本籍地の市町村役場で取得します。基本的には、どの市区町村でも請求方法は同じですが、まれに独自のルールの市区町村がありますので、特に郵送請求の場合は本籍地の市区町村役場のホームページで確認しましょう。取得方法は主に次の2つです。

役場の窓口で請求する

本籍地の市町村役場に直接行き、窓口で戸籍証明書を請求します。通常即時発行されます。必要なものは以下のとおりです。
・請求用紙(備え付けのもの)
・請求者の本人確認書類
・手数料(現金、キャッシュレス決済)

郵送で請求する

遠方に住んでいる場合は、郵送で請求することも可能です。必要なものは以下のとおりです。
・請求用紙(ほとんどの役場のホームページからダウンロードできます。)
・請求者の本人確認書類のコピー
・手数料(定額小為替や現金書留で送付)
・返送用封筒(請求者の住所を記載し、切手を貼付したもの)
最近では、一部の市区町村でキャッシュレス決済(例:PayPay)に対応しているところもあります。

広域交付制度の活用

これまで戸籍は本籍地の市町村役場でしか取得できませんでしたが、現在は「戸籍証明書の広域交付制度」により、全国どこの市区町村役場でも請求できるようになりました。詳しい利用方法は後のブロックで解説します。

本籍地が分からない場合どうする

「そもそも本籍地が分からない」というケースも珍しくありません。その場合は、本籍地が記載された住民票を取得すれば確認できます。

手数料の金額がわからない

相続などで出生から死亡までのすべての戸籍証明書を請求する場合、事前に必要な通数がわからず、手数料の総額が把握できないことがあります。そのような場合は、定額小為替を3,000円分入れておきましょう。それでも不足する場合は追納を求められますが、多くの場合はそれで足ります。おつりが発生した場合は、定額小為替で返金され、郵便局に持ち込むことで現金化できます。

💡コラム:戸籍の収集は死亡届を出した後2週間経ってから

相続人を調査するための戸籍の収集は、死亡届を提出してから2週間以上経過した後に始めるようにしましょう。
これは、相続手続きで必要となるのが「死亡の事実が記載された戸籍」だからです。死亡届を提出してすぐの段階では、まだ戸籍に死亡(除籍)が反映されていないことがあるためです。

除籍(じょせき)

戸籍に記載されていた人が死亡や婚姻、転籍などにより戸籍から外れること、または戸籍に記載された全員が抜けて戸籍が閉鎖された状態のことをいいます。

本籍地の市区町村役場に直接死亡届を提出した場合、通常は2日ほどで戸籍に死亡の記録が反映されます。
しかし、本籍地以外の市区町村役場に届出をした場合、その役所から国を経由して本籍地の市区町村役場に情報が伝わるため、反映までに日数を要します。

これは住民票についても同様で、住民登録地に死亡届を提出すれば2日ほどで記録されますが、別の市区町村に届出をした場合には、反映までに時間がかかります。

戸籍の収集は、少し余裕をもって死亡届を出した後2週間程度待ってから戸籍や住民票を請求するといいでしょう。

🔍戸籍謄本の収集範囲

相続手続きでは、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までを証明できる戸籍一式を収集する必要があります。なぜなら、相続人が誰であるかを正しく把握するためには、被相続人の一生を通じた身分関係をすべて戸籍で確認しなければならないからです。

戸籍は一度作られたら永久にそのままではなく、法律や制度の改正によって様式が変更されるたびに「改製戸籍(かいせいこせき)」として新しい戸籍が編製されてきました。その際、婚姻や死亡などによりすでに除籍となっている人の情報や、古い記録の一部は新しい戸籍には引き継がれないことになっています。したがって、相続人調査の場面では、現在の戸籍謄本だけでなく、改製前の戸籍(改製原戸籍=かいせいげんこせき)も必要になります。

さらに、本籍地や筆頭者(戸主)が変わった場合には、その都度作られた戸籍も収集する必要があります。実際の調査では、死亡時点の戸籍を起点に、戸籍事項欄や身分事項欄を確認しながら、従前の本籍地を順々にさかのぼって取得していく流れになります。

このように、戸籍謄本の収集は単純に1通で済むものではなく、被相続人の状況に応じて複数の戸籍を揃える必要があります。

被相続人に関する戸籍の収集

相続人調査では、まず被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本を収集します。次に、これらの戸籍を読み解いて被相続人の身分関係を明らかにします。なお、相続人となり得るのは配偶者相続人と血族相続人です。そこで、誰が相続人に当たるのかを戸籍証明書の記録から確認していきます。

配偶者相続人

配偶者は、常に相続人となります(民法890条)。被相続人の死亡が記載された戸籍謄本を確認することで、死亡時点で配偶者がいるかどうかが分かります。なお、離婚した元配偶者には相続権がありません。相続人となるのは、あくまでも被相続人の死亡時に生存している配偶者に限られます。

血族相続人

血族相続人には第一順位から第三順位までの順位が定められており、上位の順位に該当する人がいる場合には、その人が相続人となり、下位の人は相続人にはなれません。具体的には、第一順位がいれば第一順位のみが相続人となり、第二順位・第三順位は相続権を持ちません。第一順位がいない場合には第二順位が相続人となり、第三順位は相続できません。そして、第一順位・第二順位の相続人がいない場合に限り、第三順位が相続人となります。

第一順位…被相続人の子。子が死亡している場合は孫、その孫も死亡している場合はひ孫が代襲相続人として相続権を持ちます。婚姻関係から生まれた子、養子縁組によって子となった者、認知により親子関係が成立した子などが含まれます。(民法887条、900条1項)
第二順位…被相続人の父母が優先し、父母がいなければ祖父母が相続します。(民法889条1項1号)
第三順位…兄弟姉妹。兄弟姉妹が死亡しているときは、その甥や姪が代襲相続します。(民法889条1項2号)

相続人に関する戸籍の収集

相続人(財産を引き継ぐ人)についても、現在の戸籍を収集します。相続人調査では、被相続人だけでなく相続人の現在戸籍も収集する必要があり、これにより「誰が相続人であり、その相続人が現在も存命であること」を客観的に示すことができます。

配偶者と子が相続人の場合

被相続人(亡くなった方)
配偶者(生存)
子A(生存)
子B(生存)
子C(生存)

戸籍謄本の収集範囲

被相続人 … 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
配偶者(生存) … 現在の戸籍謄本
子A(生存) … 現在の戸籍謄本
子B(生存) … 現在の戸籍謄本
子C(生存) … 現在の戸籍謄本

なお、同じ戸籍謄本に一緒に記載されている場合には、重複して収集する必要はありません。

被相続人の子が相続開始以前に死亡している場合

被相続人(亡くなった方)
配偶者(生存)
子A(死亡)
子B(生存)
子C(生存)
─ 孫D(死亡)
─ 孫E(生存)

戸籍謄本の収集範囲

被相続人 … 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
配偶者(生存) … 現在の戸籍謄本
子A(死亡) … 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
子B(生存) … 現在の戸籍謄本
子C(生存) … 現在の戸籍謄本
孫D(死亡) … 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
孫E(生存) … 現在の戸籍謄本

代襲相続の考え方

被相続人の子(A)が被相続人より先に死亡している場合、Aの子どもが代襲相続人となります(民法887条2項)。この例では、存命の孫Eが代襲相続人となり、被相続人の子と同じ第一順位の相続人として扱われます。

戸籍収集のポイント

死亡している子Aについては、出生から死亡までの連続した戸籍謄本を確認します。これは、本来相続人となるはずのAがすでに死亡しているため、その次に相続人となる人物を確定する必要があるからです。Aの子ども(DやE)が代襲相続人となりますが、その確定には、他に相続人となるべき人がいないことを戸籍で証明しなければなりません。

同様に、孫Dについても出生から死亡までの戸籍を確認する必要があります。孫Dに子どもがいた場合には、その子がさらに代襲相続人となる可能性があるためです。

つまり、
・子Aの出生から死亡までの戸籍
・孫Dの出生から死亡までの戸籍

を確認することで初めて、代襲相続人が孫G一人であることを客観的に証明できることになります。
なお、同じ戸籍謄本に一緒に記載されている場合には、重複して収集する必要はありません。

子がいない場合① 両親がいる場合

被相続人(亡くなった方)
配偶者(生存)
父(生存)
母(生存)

戸籍謄本の収集範囲

被相続人 … 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
配偶者(生存) … 現在の戸籍謄本
父(生存) … 現在の戸籍謄本
母(生存) … 現在の戸籍謄本

解説

戸籍を確認し、子などの直系卑属がいない、またはすでに全員が死亡していることが分かれば、第一順位の相続人が存在しないことが確定します。

次に確認するのが第二順位の相続人=直系尊属(父母や祖父母など)です(民法889条1項)。このケースでは、父と母が存命のため、第二順位の相続人として相続権を持つことになります。
直系尊属が相続人となる場合には、その相続人の現在の戸籍謄本を取得し、生存していることを証明する必要があります。

なお、同じ戸籍謄本に一緒に記載されている場合には、重複して収集する必要はありません。

子がいない場合② 親が一方だけ生存している場合

被相続人(亡くなった方)
配偶者(生存)
父(死亡)
母(生存)

戸籍謄本の収集範囲

被相続人 … 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
配偶者(生存) … 現在の戸籍謄本
父(死亡) … 死亡の事実が記載された戸籍謄本
母(生存) … 現在の戸籍謄本

解説

直系尊属が相続人となる場合で、親の一方がすでに死亡し、もう一方が生存している場合には、それぞれ次のように戸籍を取得する必要があります。
・死亡している親 … 死亡の事実が記載された戸籍謄本を取得する。
・生存している親 … 現在の戸籍謄本を取得し、生存を証明する。

なお、同じ戸籍謄本に一緒に記載されている場合には、重複して収集する必要はありません。

子がいない場合③ 祖父母が相続人となる場合

被相続人(亡くなった方)
配偶者(生存)
父(死亡)
母(死亡)
祖父A(死亡)
祖母B(生存)
祖父C(生存)
祖母D(死亡)

戸籍謄本の収集範囲

被相続人 … 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
配偶者(生存) … 現在の戸籍謄本
父(死亡)… 死亡の事実が記載された戸籍謄本
母(死亡)… 死亡の事実が記載された戸籍謄本
祖父A(死亡)… 死亡の事実が記載された戸籍謄本
祖母B(生存)… 現在の戸籍謄本
祖父C(生存)… 現在の戸籍謄本
祖母D(死亡)… 死亡の事実が記載された戸籍謄本

血族相続人がいないため、配偶者のみが相続人となる場合

被相続人(亡くなった方)
配偶者(生存)
父(死亡)
母(死亡)
祖父A(死亡)
祖母B(死亡)
祖父C(死亡)
祖母D(死亡)

戸籍謄本の収集範囲

被相続人 … 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
配偶者(生存) … 現在の戸籍謄本
父(死亡)… 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
母(死亡)… 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
祖父A(死亡)… 死亡の事実が記載された戸籍謄本
祖母B(死亡)… 死亡の事実が記載された戸籍謄本
祖父C(死亡)… 死亡の事実が記載された戸籍謄本
祖母D(死亡)… 死亡の事実が記載された戸籍謄本

解説

このケースでは、
・被相続人、父母 … 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本を取得する。
・祖父母 … 死亡の事実が記載された戸籍謄本を取得する。
・配偶者 … 現在戸籍を取得して生存していることを証明する。

祖父母については、死亡の事実が記載された戸籍謄本を取得し、すでに相続権がないことを確認します。

父母について出生から死亡までの戸籍を確認するのは、第三順位の相続人である兄弟姉妹の有無を明らかにするためです。兄弟姉妹がいないと思われていても、異母兄弟姉妹(父が同じで母が異なる場合)や異父兄弟姉妹(母が同じで父が異なる場合)、さらには認知された子が存在する可能性があります。これらの兄弟姉妹も相続人となるため、戸籍を確認してその存否を証明することが必要です。

結果として、兄弟姉妹が誰もいないことが確認できれば、配偶者のみが単独で相続人となることが確定します。

🔍兄弟姉妹が相続人となる場合

被相続人(亡くなった方)
配偶者(生存)
父(死亡)
母(死亡)
祖父A(死亡)
祖母B(死亡)
祖父C(死亡)
祖母D(死亡)
兄弟姉妹F(生存)
兄弟姉妹G(死亡)
甥姪H(生存)
甥姪I(死亡)

戸籍謄本の収集範囲

被相続人 … 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
配偶者(生存)… 現在の戸籍謄本
父(死亡) … 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
母(死亡) … 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
祖父A(死亡) … 死亡の事実が記載された戸籍謄本
祖母B(死亡) … 死亡の事実が記載された戸籍謄本
祖父C(死亡) … 死亡の事実が記載された戸籍謄本
祖母D(死亡) … 死亡の事実が記載された戸籍謄本
兄弟姉妹F(生存)… 現在の戸籍謄本
兄弟姉妹G(死亡) … 出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本
甥姪H(生存)… 現在の戸籍謄本
甥姪I(死亡) … 死亡の事実が記載された戸籍謄本

解説

このケースでは、相続人調査のために次のように戸籍を確認します。
配偶者、兄弟姉妹F、甥姪H … 現在の戸籍を取得し、生存していることを証明します。
被相続人、父母、兄弟姉妹G … 出生から死亡までのすべての戸籍謄本を収集します。
祖父母 … 死亡の事実が記載された戸籍謄本を取得します。
甥姪I … 死亡の事実が記載された戸籍謄本取得します。

ここで、父母について出生から死亡までの戸籍を確認する理由は、兄弟姉妹の有無を明らかにするためです。兄弟姉妹がいないと思われていても、異母兄弟姉妹(父が同じで母が異なる場合)や異父兄弟姉妹(母が同じで父が異なる場合)、さらには認知された子が存在する可能性があります。これらの兄弟姉妹も相続人となるため、戸籍を確認してその存否を証明することが必要です。

また、死亡している兄弟姉妹Gについては、甥姪H・I以外に子がいるかどうかを確認する必要があります。もし子がいれば、その子も代襲相続人となるためです。したがって出生から死亡までの戸籍を確認してその存否を証明する必要があります。

なお、兄弟姉妹の相続では代襲は一代限りです。つまり、甥姪までが代襲相続人となりますが、さらにその子(再代襲・再々代襲)は認められません。そのため、甥姪については生存か死亡かを確認できれば足りるため、甥姪Hについては現在戸籍、甥姪Iについては死亡の事実を差記載した戸籍証明を取得します。

再代襲相続(さいだいしゅうそうぞく)

代襲相続とは、本来相続人となるべき人が死亡しているときに、その子が代わりに相続することです。再代襲相続は、その代襲者も死亡していた場合に、さらにその子が相続することをいいます。

🏢戸籍証明書の広域交付制度とは

戸籍は市区町村役場で管理されており、従来は本籍地の役場に請求しなければ取得できませんでした。そのため、人によっては一生の間に本籍地を何度も移していると、相続人調査の際に複数の市区町村へ郵送請求をしなければならず、大きな負担となっていました。

この不便を解消するために導入されたのが 「戸籍証明書の広域交付制度」 です。これにより、全国どこの市区町村役場でも、本人や相続人などの請求権者であれば、戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)を請求できるようになりました。相続手続きや不動産登記に必要な戸籍を、一度の窓口訪問でまとめて取得できるため、手続きの効率が大きく向上します。

広域交付制度を利用する際の注意点

・戸籍証明書を請求できるのは、本人・配偶者・直系尊属(父母・祖父母など)・直系卑属(子や孫など)に限られます。兄弟姉妹の戸籍は請求できません。
・市区町村の戸籍担当窓口で直接請求する必要があり、郵送や代理人による請求はできません。
・本人確認のため、マイナンバーカードや運転免許証など、顔写真付きの身分証明書を提示する必要があります。

🗂️戸籍の種類、読み方

平成6年式から昭和・大正・明治の戸籍まで、それぞれの特徴や読み方を解説します。

このページのポイント

  1. 相続人を知っているだけでは不十分で、第三者に証明できる戸籍証明書が必要です。
  2. 戸籍は婚姻・転籍・制度改正など、一生のうちに何度も作り替えられる。
  3. 戸籍証明書には謄本(全部事項証明書)と抄本(個人事項証明書)があり、相続手続きでは通常謄本が必要です。
  4. 相続人調査では、配偶者・子・親・兄弟姉妹の順に確認し、代襲相続(孫や甥姪)がある場合も漏れなく調べる。
  5. 相続人の構成によって、収集すべき戸籍の範囲は変わってくる(配偶者・子・親・兄弟姉妹・甥姪など)。
  6. 戸籍の広域交付制度で、本籍地以外の市区町村役場で戸籍を取得可能になりました。

新井 秀之

行政書士/認定経営革新等支援機関/東京出入国在留管理局申請取次者/神奈川県行政書士会横浜中央支部相談員/コスモス成年後見サポートセンター相談委員

行政書士新井秀之
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相続/遺言/遺言執行/成年後見/終活
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メッセージ
はじめまして。行政書士の新井秀之です。
1965年に横浜市神奈川区で生まれ、東芝、リクルートでの企業勤務を経て、行政書士として独立いたしました。以来、「人生の最終章を支える」という使命を胸に、相続、遺言、成年後見、そして死後の諸手続きといった業務を中心に、数多くのご相談と向き合ってまいりました。...続きを読む
免責事項:
この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事案に対する法的助言ではありません。具体的な手続きや判断については、必ず専門家にご相談ください。法改正や自治体の運用により情報が異なる場合がありますのでご注意ください。
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